STAY HOME中の松倉海斗くんにおすすめしたい劇団☆新感線のDVD作品5選のお話。
こんばんは。
外出自粛が始まって以降よく自担のTravis Japan 松倉海斗くんが「最近はおうちで映画や海外ドラマを見ています」と雑誌のインタビューなどで言っているのを拝見します。
そこでふと、松倉くんそろそろAmazonプライム(推定)で見たい作品見尽くしたのでは??
他に見るもの探しているのでは??と思い勝手に現在販売中の劇団☆新感線のDVDからのおすすめをピックアップして書き出そうと思いました。
そう、本人が新感線の作品を見たいと希望しているかも分からないのに一方的にこちらからおすすめするヲタクのエゴ全開のクレイジーな企画です。
というわけでこの先は松倉くん(と自分のことを松倉くんだと思っている方)に向けて一方的におすすめの新感線作品をプレゼンします。
なおそもそも劇団☆新感線って何??という方は先にこちらをどうぞ。
では参りましょう!
上演:2008年夏 新宿コマ劇場、大阪厚生年金会館大ホール
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
作詞:森雪之丞
出演:古田新太、松雪泰子、森山未來、江口洋介、川平慈英、濱田マリ、橋本じゅん、北大路欣也、他
現在の新感線といえば迫力満点のド派手な演出、豪華な客演、そして面白い脚本。
その三本揃った現在の「ザ・新感線」的代表作と言えば「五右衛門ロック」。
今はなき新宿コマ劇場ですが、2008年の夏は確かにあそこが日本で一番ロックしている劇場でした。
上記のトレーラーからも分かるようにアンサンブルの人数も多く、歌も踊りもタップも(!!)あり、豪華絢爛なロックミュージカルです。
またステージの上手下手のタワーにはロックバンドがいて音楽は生演奏。
「五右衛門ロック」はただただ豪華で派手なだけではなく、新感線お得意の裏切りからの裏切り、どんでん返しと伏線回収がきちんとされており、コマ劇場から新宿駅までの帰り道はスッキリ晴れ晴れとした気持ちで帰れました。
新感線を初めて見るという方にまずおすすめしたい入門者向けの一本です。
(私の記憶が正しければ松倉くんは新感線の舞台の見学に今まで行ってなかったと思うんですが、合ってますか松倉くん??)
ゲキ×シネ作品として収録されているのでたまに映画館やWOWWOWで放送されていますが、もしDVDを買うのであれば副音声つきのスペシャルエディションをおすすめします。
(副音声の川平慈英さんが終始自由でめちゃくちゃ面白い)
『五右衛門ロック -special edition-』DVD/イーオシバイドットコム【演劇DVD専門サイト】
②「髑髏城の七人」
上演:2011年夏 梅田芸術劇場、秋 青山劇場
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:小栗旬、森山未來、早乙女太一、小池栄子、勝地涼、仲里依紗、千葉哲也、他
7年に一度再演される劇団☆新感線の代表作の2011年版。
2017-2018年に1年ちょっと、5シーズンかけて豊洲にある客席が回転する劇場IHIステージアラウンド東京で上演されたのも記憶に新しいです。
織田信長に仕えていた捨之介(小栗旬)、天魔王(森山未來)、無界屋蘭兵衛(早乙女太一)が信長亡き後ばらばらになっていたが奇妙な縁に導かれ運命が動き出す物語。
もとは1990年の初演、1997年再演、2004年再々演では捨之介と天魔王は一人二役で演じられていました。
というのも捨之介と天魔王は相対する立場のようで実は表裏一体なようなキャラクターであり、それを踏まえた上でこの作品を見るというのが意図でした。
今回おすすめしている2011年版は初めて捨之介と天魔王が別の役者によって演じ分けられるということでキャスト発表の段階でかなり界隈がざわつきました。
個人的に松倉くんにおすすめしたいポイントは森山未來さんの演技。
松倉くんも憑依型の演技と言われていますが、森山未來さんは歌、踊り、演技どれをとっても奇才。
(前述の「五右衛門ロック」でも今回紹介していない「メタルマクベス」も最高でした。)
特に二幕冒頭での天魔王の「敦盛」(人間五十年〜と織田信長が本能寺で舞ったとされる舞踊)は唄い、舞いながらの扇子を使った立ち回りが圧巻です。
後に2017-2018年に再演され森山未來さんが二度目の天魔王を演じた際にはこの「敦盛」は舞踊ではなく台詞に吸収されていたのがすごく残念だったことを鮮明に記憶しているほどこの舞の演技が素晴らしかったです。
無界屋蘭兵衛と天魔王による殺陣のシーンは瞬きもできず、食い入るように観ていました。
というのも瞬きを一回すると三太刀くらい見逃してしまうのです。
それほどスピード感が速く、観ているものを圧倒するほどの立ち回りでした。
刀を抜く、斬る、留める、回る、避ける、すべての動作がスピードに溢れそれでいて流麗で美しい。
Endless SHOCKのジャパネスクの殺陣がかっこ良かった松倉くんにも是非一度観ていただきたいシーンです。
(よかったら時代殺陣を習っている元太くんと一緒に見てね。)
③Inouekabuki Shochiku-Mix『阿修羅城の瞳2003』
Inouekabuki-Shochiku-mix「阿修羅城の瞳(2003)」 DVD予告編
上演:2003年夏 新橋演舞場、秋 大阪松竹座
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:市川染五郎(現 松本幸四郎)、天海祐希、夏木マリ、伊原剛志、他
初演は1987年ですがこの2003年版は2000年の再演版の再演のような位置づけです。
劇団☆新感線の作品には前述の「五右衛門ロック」のようにロックバンドの生演奏の場合は「劇団☆新感線RX」、若手の役者さんの主演ものを「劇団☆新感線NX」等複数のシリーズがありますが、こちらは名前の通り「いのうえ歌舞伎」のシリーズ。
さらには「いのうえ歌舞伎」の中でも松竹のバックアップのもとで製作された作品です。
また映画館で舞台を上映する画期的なゲキ×シネの先駆けとなっている作品でもあるので、今作までの作品とこれ以降の作品では映像の質も異なります。
見所はなんと言っても染様(現 幸四郎様)の見得でしょう。
こちらの作品は本物の歌舞伎ではありませんが、見得や外連、花道の使い方など歌舞伎のエッセンスが要所要所に散りばめられています。
それにしても染様の見得がかっこいいったらありゃしない。
以前に友人とステージ上で見得を切れるアイドルは最高だという話をしたことがあります。
(この場合の見得は歌舞伎の見得というよりカメラに抜かれたタイミングで空間を支配するようなキメ顔みたいなニュアンス)
松倉くんも去年あたりからかっこいい曲でカメラに抜かれると顎を少しあげながら妖艶な微笑みをキメていますが、それが本当にかっこよくて。
是非そんな松倉くんに染様の見得を見てほしいと思いこちらの作品をピックアップしました。
余談ですがこの作品、ラストの染様と天海祐希さんのシーンが鳥肌が立つほど美しいのです。
私自身、新感線にハマったのが2006年からだったので「阿修羅城の瞳2003」は映像でしか観たことがないのですが、この作品を映像で観る度にもっと早くに新感線に出会っていれば良かったと思わされます。
④Inouekabuki Shochiku-Mix『朧の森に棲む鬼』
Inouekabuki-Shochiku-mix「朧の森に棲む鬼」 DVD予告編
上演:2007年冬 新橋演舞場、大阪松竹座
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:市川染五郎(現 松本幸四郎)、阿部サダヲ、秋山菜津子、真木よう子、古田新太、他
いのうえ歌舞伎からもう一作品。
「アテルイ」と悩みましたが、やっぱり2003年以降の作品は映像が美しく、ゲキ×シネ最高峰とも呼ばれているこちらの作品を。
予告からは想像がつかないと思いますが、部分的にすごくコメディー要素が入っていてなんと阿部サダヲさんがアイドルよろしく歌って踊ったりもします。
そのワンシーンのためにDVDを買ったひとも多いのではないでしょうか。
おすすめはやはりその阿部サダヲさんの場の支配感。
この作品で初めて生で阿部サダヲさんのお芝居を観たのですが、もうそれはそれはすごかった。
阿部サダヲさんが舞台に登場するや否や空気は阿部サダヲさんだし、立ち位置が変わっても阿部サダヲさんのいるところが0番となる。
染様ももちろん存在感はある素晴らしい主演俳優だったのですが、阿部サダヲさんとはベクトルが少し違います。
また阿部サダヲさん演じるキンタが純粋で馬鹿で馬鹿で純粋で。
あまりの純粋さと忠誠心にこちらが悲しくなってしまうほど。
それほど客席全体が感情移入するほどのキャラクターでした。
そして何よりセットがとても凝っていてリアル。
冒頭の朧の森は本当に森だし、雨も降る。
埋め込まれている骸骨もリアル。
リアルなセットだからこそ憑依型の演技にも拍車がかかると思うので、いつか松倉くんがこういうセットの中で役を生きる日が来るといいなと思います。
⑤いのうえ歌舞伎「シレンとラギ」
上演:2012年春 梅田芸術劇場メインホール、青山劇場
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:藤原竜也、永作博美、高橋克実、三宅弘城、北村有起哉、石橋杏奈、橋本じゅん、古田新太、他
ここまで割とすんなりおすすめ作品を選んでこれたのですが、5本目はかなり悩みました。
「蜻蛉峠」の堤真一さんの大胆な立ち回りと存在感もおすすめしたいし、②③④と重たい作品が続いたので「メタルマクベス」みたいな最後にスカッとした気分で終われる作品もおすすめしたい。
それでもやっぱり暗めで主人公が苦悩する作品を選んでしまうのは、いつか松倉くんにもこういう役にのまれてしまうかもしれないほど苦悩する役をやって欲しいというヲタクのエゴ。
新感線作品に割と頻繁に出てくる設定に「新興宗教の教祖と狂った教徒たち」や「独裁政権の王と盲目な国民」があります。
本作では藤原竜也さん演じるラギが意図せず教祖となってしまうのですが、教祖になる前の一幕での純粋な青年から、ある事件を経て教祖となったあとの二幕で人格が入れ替わったのかと思うくらいに目つき、顔つき何もかもが変わってしまいます。
二幕、びっくりするほど藤原竜也さんのお顔が死んでいて、幕間のわずか20分で魂が抜け落ちてしまっている。
正直「シレンとラギ」を観るまでは藤原竜也さんの演技があまり得意ではありませんでした。
なんというか画面の中でとても浮いているというか、背景や周りの人物に比べて演技が4Dでずっと観ているとちょっと船酔いしちゃう、みたいな。
それが舞台上で観るとその4D感がすごくしっくりきて、あ!そういえば藤原竜也さんってデビューも蜷川さんの舞台だったし、舞台人だったわ、と思い出しました。
当時の藤原竜也さんは30歳でしたが、無垢で少年っぽい青年の一幕と狂ってしまった二幕でも分かる通り演技の振り幅がすごかったです。
今後お芝居をたくさんしたいと言っている松倉くんもいつか藤原竜也さんのような幅広い役や設定を演じられる憑依型のカメレオン俳優になれることを願っています。
*おまけ いのうえシェイクスピア「鉈切り丸」
いのうえシェイクスピア「鉈切り丸」~W・シェイクスピア〈リチャード三世〉より
上演:2013年秋 オリックス劇場、東急シアターオーブ
作:青木豪
演出:いのうえひでのり
出演:森田剛、成海璃子、秋山菜津子、渡辺いっけい、千葉哲也、山内圭介、木村了、須賀健太、生瀬勝久
劇団☆新感線ではなくパルコプロデュースですが、もう一本いのうえ演出の作品でどうしてもおすすめしたい作品があります。
私が今まで自分で劇場で観劇した作品の中で最も胸くその悪い作品こと「鉈切り丸」。
観劇直後に会った友人に「え、顔色悪すぎじゃない??大丈夫??」と心配されたほど観終わった後の疲労感と虚無感が半端ない。
7年も前の作品なのにあの胸くその悪さを未だに引きずるほど全く他人におすすめできない作品です。
でも週4でCoCo壱でカレーにロースカツとチーズをトッピングし、ポテトフライとシーザーサラダをサイドオーダーで頼み、夜はたまにビールもつけて、お腹いっぱいすぎてちょっと気持ち悪いのも幸せ♪と感じられる松倉くんにはおすすめです。
(CoCo壱のくだりはここ1ヶ月の雑誌で二度出てくる実話です。)
ベースはシェイクスピアのリチャード3世。
時代を鎌倉時代に、リチャード3世は源頼朝の弟 範頼(森田剛さん)に置き換えています。
史実は??と思うところもありますが、最後の最後でなるほどと納得できるので問題なし。
リチャード3世と言えば松倉くんと一部のジャニヲタはご存知のEndless SHOCK二幕前半のシェイクスピアのシーン。
背を曲げ、足を引きずるコーイチを思い出すと思いますが、鉈切り丸こと源範頼はさらに背が曲がり片足は使い物にならないほど引きずり、その上でばんばん人を斬っていきます。
森田剛さんの身体能力がすごいったらありゃしない。
まるで演技ではなく産まれつきその身体なのでは??と錯覚するほどでした。
松倉くんは去年のカウントダウンで1曲(というより1サビ)V6のバックで踊っていましたが、是非アイドルではない森田剛さんの迫真の演技も観ていただきたいです。
ということで以上が松倉くんへのおすすめ劇団☆新感線5作品とおまけでした。
数々の雑誌インタビューから読み解くに松倉くんは普段映画はヒューマンドラマや恋愛もの、ミュージカル映画を中心に観ていると思うのですが、たまにはジャンルの違う舞台の円盤化作品を観てはいかがでしょうか。
「五右衛門ロック」以外基本的に暗め(「髑髏城の七人」はその中でもライトな方)になってしまったのは、いつか松倉くんにも役者として役が日常生活に侵食してしまうほどの重たい役をやって欲しいという舞台ヲタの重たい愛とわがままです。
個人的には是非松倉くんと松田元太くんの松松セットで近い将来劇団☆新感線に出て欲しいと願っているのでまた公演がある際は公演アンケートにお二人の名前を書きたいと思います。
ではでは。